「買ったばかりのパソコンなのに、なんでこんなにモッサリしてるの?」 「右クリックしただけなのに、ワンテンポ遅れてメニューが出るのはなぜ?」 「Windows 10の時はもっとサクサク動いていた気がする…」
そんな違和感を抱きながら、日々パソコンを使っていませんか? スペックは足りているはず。
故障しているわけでもない。 それなのに、まとわりつくような「重さ」がある。
三ノ宮から徒歩2分のパソコン修理店、パソコン修理サービスです。
2025年10月にWindows 10のサポートが終了してから、早4ヶ月が経ちました。
多くの方が、セキュリティのために、あるいは買い替えによってWindows 11へと移行されたことと思います。
しかし、そこで当店に急増している相談があります。
それが、「Windows 11にしたら、謎に重くなった」というものです。
「ウイルスにかかったんでしょうか?」と心配されるお客様もいらっしゃいますが、調べてみるとウイルスではないことがほとんどです。
では、なぜ重いのか。 実は、Windows 11には、その「華麗な見た目」や「強固なセキュリティ」の裏に、パソコンの体力をじわじわと削ぐ「構造的な原因」が潜んでいるのです。
今日は、修理屋の視点から、この「謎の重さ」の正体を解き明かしていきたいと思います。 決してあなたのパソコンが悪いわけではありません。
Windows 11というOSが抱える「宿命」と、それを少しでも軽くするためのテクニックについて、じっくりと語らせていただきます。
なぜ「重い」と感じるのか
Windows 11の最大の特徴は、そのモダンで美しいデザインです。 スタートボタンが中央に来て、ウィンドウの角が丸くなり、すりガラスのような半透明のエフェクト(マイカ素材)が随所に使われています。 確かに綺麗です。スマートフォンやタブレットのような洗練された印象を受けます。
しかし、この「美しさ」には、大きな代償が伴います。 それは、描画処理の負荷です。
これまでのWindows(特にXPや7の時代)は、画面を描画するためにCPUの力を使っていました。 しかし、Windows 11のこのリッチな表現は、GPU(グラフィック機能)の力を大量に借ります。 「ウィンドウを一つ開く」「メニューを出す」といった何気ない動作一つ一つに対して、高度な計算処理が走っているのです。
例えるなら、Windows 10が「機能的な作業着」だったのに対し、Windows 11は「装飾たっぷりのドレス」を着ているようなものです。 動くたびにフリルが揺れ、装飾が輝く。 綺麗ですが、走ろうと思ったらどうしても足がもつれます。 特に、事務用のノートパソコンなど、グラフィック性能が高くない機種にとっては、この「ドレス」はあまりにも重すぎるのです。
エクスプローラーの構造変化
「フォルダを開くだけなのに、緑色のバーがゆっくり伸びていく」 「ファイル一覧が出るまでに一瞬の間がある」
これもWindows 11特有の現象です。 実は、Windows 11では「エクスプローラー(ファイル管理画面)」のプログラムが、根本から作り変えられています。
以前の完成された技術ではなく、新しい「WinUI 3」という技術を使って書き直されている部分が多いのです。
これにより、デザインは統一されましたが、プログラム自体が肥大化し、動作が重くなってしまいました。
さらに、上部に表示されるメニューバーも簡素化されましたが、これも裏側では複雑な処理を行っています。
単純にファイルを表示するだけなのに、裏では「OneDriveとの同期確認」や「新しいコンテキストメニューの生成」など、余計な仕事が増えているのです。
これが、私たちが感じる「モッサリ感」の正体の一つです。
右クリックメニューの「二重構造」という罠
Windows 11を使っていて一番イライラするのが、「右クリックメニュー」ではないでしょうか。 ファイルを右クリックすると、コピーや貼り付けがアイコンになり、項目が少なくなった新しいメニューが表示されます。
そして、今まで通りのメニューを出そうと思うと、「その他のオプションを表示」を押さなければなりません。
この「ワンクリック余計に押させる」仕様が、体感速度を劇的に下げています。
しかも、この新しいメニューを表示するために、Windowsは一度「新しいメニューのプログラム」を読み込みます。
そして「その他のオプション」を押すと、今度は「古いメニューのプログラム」を読み込みます。 つまり、二度手間です。
古いソフトを使っている人ほど、この二段階認証のような無駄なステップを踏まされ、そのたびにパソコンは「えーっと、こっちのメニューね」と処理を切り替えるため、一瞬フリーズしたような挙動になるのです。
強力すぎるセキュリティ
ここからは少し専門的な話になりますが、Windows 11が重い最大の理由は「セキュリティ機能」にあります。
その筆頭が「VBS(Virtualization-Based Security:仮想化ベースのセキュリティ)」と「HVCI(メモリ整合性)」です。
簡単に言うと、パソコンの中にもう一つ「仮想のパソコン」を作り、その隔離された安全な場所で、重要なセキュリティチェックを行うという機能です。
空港の入国審査で言えば、今までは簡易的なチェックで通していたところを、Windows 11では「全員、一度別室に連れて行って、厳重なボディチェックをする」ように変わったのです。
これにより、ウイルスの侵入や不正なプログラムの実行は劇的に防げるようになりました。
しかし、全ての動作において「別室でのチェック」が入るため、当然ながら処理速度は落ちます。 特に、CPUの性能がギリギリのパソコンや、ゲームなどの重たい処理をする際に、この機能が足かせとなって、10%〜25%も性能が低下することがあると言われています。
「守りは鉄壁だけど、動きが遅いガードマン」が常駐している状態。
これが、謎の重さの正体です。
コア数が多いCPU・メモリを搭載していたとしても、発生していたプチフリーズはVBSのせいかもしれません。
ウィジェットとTeamsの「居座り」
画面の下を見てください。 天気のマークや、ニュースの見出しが出ていませんか? これが「ウィジェット」です。
そして、チャットのアイコンもありませんか? これが「Microsoft Teams」の個人用チャット機能です。
これらは、あなたが使っていなくても、パソコンが起動した瞬間から裏側で待機し、常にインターネットと通信して最新情報を取得し続けています。 「Edge」というブラウザの部品(WebView2)を使って動いているため、メモリを数百メガバイト単位で消費します。
もし、メモリが8GBしかないパソコンを使っているなら、この「居座り機能」だけでメモリの1割〜2割を食いつぶされている計算になります。
使わないなら、これらを無効化するだけで、パソコンは深呼吸ができるようになります。
インデックス作成の暴走
「何もしていないのに、ファンがずっと回っている」 「HDDのアクセスランプが点滅しっぱなし」
これは、Windows Searchの「インデックス作成」が暴走している可能性があります。 Windows 11は、ファイルを検索するスピードを上げるために、裏側で常にファイルの中身を読み取って「索引(インデックス)」を作っています。
しかし、ファイルの数が多い場合や、Outlookのメールデータが膨大にある場合、この処理が終わらずに永遠に続き、ディスクの読み書きを占有してしまいます。
特に、システムドライブがSSDではなくHDD(ハードディスク)の場合、このインデックス作成処理だけで手一杯になり、他のアプリを開こうとしても反応しなくなります。
Windows 11は、実質的に「SSDが必須」のOSとなっており、HDDで動かすことは「拷問」に近い負荷をかけることになります。
私たち修理屋が提案する「軽量化」のアプローチ
では、この重たいWindows 11とどう付き合っていけばいいのでしょうか。 「我慢して使う」か「高いパソコンに買い替える」しかないのでしょうか。 いいえ、いくつか打つ手はあります。
- 視覚効果をカットする
設定 > アクセシビリティ > 視覚効果 から、「透明効果」と「アニメーション効果」をオフにしてください。 すりガラスのような見た目はなくなりますが、ウィンドウの開閉がキビキビと動くようになります。 これだけで「モッサリ感」の半分は解消されます。 - 不要な常駐アプリを止める
タスクマネージャーを開き、「スタートアップ」アプリを確認します。 OneDrive、Teams、Cortana、メーカー製パソコンに入っている使わない便利ツール。 これらを「無効」にすることで、起動直後の重さが劇的に改善します。 特にウィジェット機能は、使わないなら設定からオフにしてしまいましょう。 - メモリ整合性の見直し(※自己責任で)
もし、ゲームのフレームレートが出ないなど、どうしても処理速度を優先したい場合は、Windowsセキュリティの設定から「メモリ整合性(コア分離)」をオフにすることで、VBSの一部を無効化できます。 これにより速度は戻りますが、セキュリティレベルは下がります。 リスクとリターンを天秤にかける必要がありますが、古いパソコンの延命措置としては有効な手段です。 - 物理的なドーピング(SSDとメモリ)
結局のところ、Windows 11の重さを根本から解決するには、基礎体力を上げるのが一番です。 メモリが8GBなら16GBに。 HDDなら絶対にSSDに。 特にSSDへの換装は、どんな設定変更よりも効果があります。 「Windows 11は重い」と言われますが、十分なメモリと高速なSSDさえあれば、実はWindows 10以上に快適に動くOSでもあります。
まとめ
Windows 11が重いのには、それなりの理由があります。
より安全に、より美しく、より使いやすくしようとした結果、脂肪もついてしまった。
それが今のWindows 11の姿です。
しかし、その脂肪を削ぎ落とし、筋肉質なアスリートのようなパソコンに仕上げることは可能です。
設定一つ、パーツ一つで、愛機の挙動は変わります。
「設定画面を見るのが怖い」「自分のパソコンがSSDなのかHDDなのか分からない」「一度、プロの手で徹底的に軽量化してほしい」
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ三宮駅から徒歩2分の「パソコン修理サービス 神戸三宮店」にご相談ください。
私たちは、単に修理するだけでなく、お客様のパソコンを「使える道具」として蘇らせるチューニングも得意としています。
重たいパソコンを抱えてため息をつく前に、ぜひ一度お店を覗いてみてください。
春に向けて、パソコンも心も軽くしていきましょう。 皆様のご来店、ご相談をスタッフ一同心よりお待ちしております。




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