三ノ宮から徒歩2分のパソコン修理店、パソコン修理サービスです。
今は2026年。 Windows 95が発売されてから、なんと30年以上が経過しました。
もはや「レトロ」を通り越して「歴史的遺産」と言っても過言ではないOSです。
しかし、驚かれるかもしれませんが、当店には今でも年に数回、この「Windows 95」が動くパソコンの修理依頼が持ち込まれます。
「えっ? まだ使っている人がいるの?」「ネットにも繋がらないんじゃないの?」
はい、おっしゃる通り、現代のインターネットに接続することはほぼ不可能ですし、セキュリティ的には丸裸の状態です。
それでも、令和8年の現在において、なおWindows 95を使い続けなければならない、切実な理由を持つお客様がいらっしゃるのです。
今日は、そんな「失われた技術」を守り続ける現場のリアルと、もしあなたが古いパソコンを久しぶりに押し入れから引っ張り出してきた時に気をつけるべきポイントについて、修理屋の視点からじっくりと語らせていただきます。
Windows10のサポートが終了しました
Windows10は、2025/10/14にサポートが終了しました。
このまま放置した場合、ウイルス感染する確率が高くなり、ソフトウェアが使用できなくなる可能性がございます。
詳しくは、LINE・メール・お電話でお気軽にご相談ください。
なぜ、2026年にWindows 95なのか
最新のWindows 11搭載PCなら、数万円で高性能なものが手に入ります。
それなのに、なぜ変色したベージュ色の、重たくて分厚いパソコンにしがみつく必要があるのでしょうか。
大きく分けて、3つの理由があります。
その1:工場の設備が人質に取られている
これが最も多い理由です。 町工場や研究所にある、数千万円もする工作機械、旋盤、あるいは特殊な分析装置。
これらを制御しているのが、PC-98シリーズや、Windows 95が入った専用パソコンであるケースが非常に多いのです。
機械自体は頑丈で、メンテナンスをすれば50年は持ちます。
しかし、それを動かすためのソフトがWindows 95でしか動かず、しかも接続端子が現在のUSBではなく、「RS-232C(シリアルポート)」や「GPIB」といった古い規格でないと通信できないのです。
パソコンが壊れたからといって、数千万円の機械ごと買い換えるわけにはいきません。
だからこそ、彼らにとってのWindows 95は、工場の心臓そのものなのです。
その2:二度と手に入らない「ドングル」と「ソフト」
昔の業務ソフト(CADや経理、在庫管理など)は、不正コピーを防ぐために「ドングル」と呼ばれる物理的な鍵(パラレルポートやUSBに挿すもの)が必要でした。
開発会社が倒産してしまった今、このドングルが認識されるのは、当時の環境であるWindows 95だけ。
仮想化技術(P2V)を使っても、このドングルの認識だけがどうしても上手くいかず、実機を使い続けるしかないというケースです。
その3:あの頃のゲームと、クリエイティブ ドット絵の美しさ、MIDI音源の響き。
エミュレーターでは再現しきれない、実機特有の挙動や、ブラウン管モニターとの相性を求めて、レトロゲーム愛好家の方々が大切に維持されています。
また、昔のワープロソフトの「書き心地」や、特定の音楽ソフトの音質を愛してやまないクリエイターの方もいらっしゃいます。
30年前のパソコンを動かすということのリスク
しかし、30年前の電子機器を動かし続けるというのは、並大抵のことではありません。 人間で言えば100歳を超えているようなものです。
修理屋として、警告しておかなければならない「時限爆弾」がいくつかあります。
コンデンサの液漏れ問題 マザーボード(基板)の上にある、小さな円筒形の部品「電解コンデンサ」。
これが経年劣化で膨らみ、中の電解液が漏れ出していることが非常に多いです。
この液は酸性で、基板の銅線を腐食させ、断線を引き起こします。 「最近、電源が入ったり入らなかったりする」 「酸っぱいような変な臭いがする」 これはコンデンサが悲鳴を上げている証拠です。 放置すると基板がショートし、修復不可能になります。
ハードディスク(HDD)の寿命 当時のHDDは、容量が数百MB(メガバイト)から数GB(ギガバイト)程度でした。
今見ると信じられない少なさですが、機械的な寿命はとうに尽きています。
内部のベアリングオイルが固着し、ある日突然「カコン、カコン」と異音を発して二度と起動しなくなります。
Windows 95時代のHDDは「IDE(アイ・ディー・イー)」という古い接続規格で、現在のパソコンショップではもう売っていません。
プラスチックの劣化 筐体やファンの羽、ケーブルのコネクタなどが、経年劣化で脆くなっています。
ちょっと掃除しようと思って爪をかけただけで、パキッと粉々に砕け散ることがあります。 修理のために分解する際も、細心の注意が必要です。
それでも使い続けるためのメンテナンス術
では、どうすればこの老兵を生き永らえさせることができるのでしょうか。
私たちが行っている延命措置の一部をご紹介します。
記憶装置のSSD化(シリコンディスク化)
これが最も効果的です。 古くて壊れやすいHDDを取り外し、代わりに「コンパクトフラッシュ(CFカード)」や「SDカード」をHDDとして認識させる変換アダプターを使用します。
フラッシュメモリは物理的な駆動部分がないため、故障リスクが激減します。 また、読み込み速度が向上するため、Windows 95が爆速で起動するようになります。
ただし、Windows 95は認識できる容量に壁(2GBの壁、32GBの壁など)があるため、適切な容量のカードを選び、FDISKコマンドで正しく領域確保する必要があります。
ボタン電池の交換
「起動するたびに時計が狂う」「BIOS設定が消える」 これはマザーボード上のボタン電池切れです。
多くの場合は「CR2032」という一般的な電池ですが、古い機種では特殊な充電池や、ダラスチップと呼ばれる時計一体型の部品が使われていることがあり、その場合はハンダ付けによる加工が必要です。
インターネットには絶対に繋がない
これは鉄則です。
Windows 95には、現代のセキュリティ機能(ファイアウォールやアンチウイルス)が皆無です。
LANケーブルを挿した瞬間に、ネットワーク上のウイルスが飛び込んでくる可能性があります。
データのやり取りは、フロッピーディスク、CD-R、あるいはUSBメモリ(Windows 95 OSR2以降で、かつUSBドライバを何とかして入手できた場合のみ)を使って、オフラインで行ってください。
周辺機器の確保
マウスやキーボードも、今のUSBタイプは使えません。
「PS/2端子」や「シリアルマウス」が必要です。 これらが壊れると代わりが手に入りにくいので、リサイクルショップやオークションなどで予備を見つけたら、迷わず確保しておくことをお勧めします。
特に、ボール式のマウスは内部のローラーにゴミが溜まりやすいので、こまめな掃除が必要です。
まとめ
Windows 95を使い続けることは、もはや実用というより、文化遺産の保護活動に近いかもしれません。 不便だし、手はかかるし、いつ壊れるか分からない。
それでも、その画面の中にしかない「世界」や「仕事」があります。
もし、ご自宅や会社の倉庫に、埃を被った古いパソコンが眠っているなら、一度電源を入れてみてはいかがでしょうか。 (ただし、異音がしたり焦げ臭かったりしたらすぐに切ってくださいね)
そして、もし「どうしても動かしたい」「データを取り出したい」という場合は、ぜひ三宮駅から徒歩2分の「パソコン修理サービス 神戸三宮店」にご相談ください。
当店には、最新のAI PCだけでなく、こうしたレガシーなパソコンの構造を熟知したベテランスタッフも在籍しております。
コンデンサの交換から、特殊な変換アダプタの手配まで、可能な限りの手を尽くします。
30年前のあの起動音を、もう一度聞いてみませんか?
それは、デジタルがもっとシンプルで、ワクワクするものだった時代の音かもしれません。
まだまだ寒い日が続きますが、皆様と、皆様の愛機(新旧問わず)の健康を心よりお祈り申し上げます。
ご来店の際は、ぜひ「古いパソコンなんだけど…」とお気軽にお声がけください。
スタッフ一同、懐かしさと共に全力で対応させていただきます。




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